コンクリ片で飛石 金継ぎ・呼び継ぎ『新継ぎ』を考察

コンクリ片で飛石 金継ぎ・呼び継ぎ『新継ぎ』を考察

花壇部分を急遽改修することとなり、いま花壇ごと引越しをしています。

ところが新しい花壇にする場所の土から沢山の石やコンクリ片がでてきました。インターネットでそれらの石やコンクリ片の利用法を探したのですがなかなか見つかりません。しかし捨ててしまうのも惜しい。花壇の縁石にも似合わなそうです。

そこで考えたのが飛石です。コンクリ片などはどどこかに平らな面があります。それを表に向けるようにしてパズルの要領で組み合わせていくのです。あまりきっちり組むのではなく土の色が表から見えるように取り込みつつ。

飛石を菱形にし規則性をもたせるようにしました。ある程度一歩で渡れる場所で好きな場所に配置します。同じ方角を向き同じ形ですので規則性を持ちますね。石に乗れば草むしりできる程度の広さの大きさにします。

これからこの隙間に四季の花をランダムに植えることにします。この新しい花壇は砂利も多いですね。そういう土にしていたようでそれは仕方ないですので、そこは徐々に敷石に使おうかと思います。

もともと形あったものといえばコンクリートくらいでしょうか。コンクリートとして機能していたので平らな面を持っています。それを適当な形で組み合わせて再度平らにする。足りない部分はただの石を平たく継ぐ。これを繰り返して平らな面を作って飛石や敷石として機能するようにしました。

それにしてもパズルと言いますか『金継ぎ』をしているような気分になります。やっている間に面白さを感じるようになってまいります。『金継ぎ』とは、陶磁器の割れたものを漆で接着し直し、着いだ部分を金などで装飾する楽しみです。欠損した部分を他の陶磁器の部分で補う場合は『呼び継ぎ』と言うそうです厳密には。私の場合はどうでしょうか。どちらかと言えば『呼び継ぎ』に近いのかもしれませんね。しかし元々敷石でなかったものから敷石を組むのですから、『新継ぎ』といったところでしょうか。

飛石を組んでいて感じるのは意外や意外コンクリ片に趣があるということです。もともと何かはっきりとした用途で作られたのに砕かれたコンクリ片。それが別の何かと組み合わされて別の用途で若返ったように感じます。もともとどこで活躍していたのだろうとか、この角っちょにぴったりだぞとか、ただの石ころよりもむしろ一度は捨てられた味わいを持っているコンクリ片。見事復活おめでとうねと思ってしまいます。

〈了〉

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